転載元:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1286769236/


7: 2010/10/11(月) 15:21:24 ID:NpHnVsat0
昔の短編漫画『モモンガの一生』話を考えたのが小学生らしい

魚とか兎が人間みたいに暮らしてる架空の世界。食糧危機が問題になっている近未来
人間に近い体を持ちながら、どんな生物の子供でも産めるという種族の美しい女がいた
女は沢山の生物と交配し、生まれた子供が可愛くないと調理して食べてしまった
しかし、人間との交配によって生まれた少女は母親である女に瓜二つで、女はその愛らしい少女を気に入って育てることにした
女は食料危機の時代であるにも関わらず飲食店を経営していて金持ちで、少女は何不自由無く育てられる

ある日、高価な服を着て外を散歩していた少女は、追い剥ぎに襲われて服を奪われてしまう
そこへ吸血鬼の少女が現れ、少女に服を分け与えてくれる。それ以来二人は親友になった
吸血鬼は人間さえいれば血が吸えるので、食料には困っていなかった

女が経営している飲食店は実はインチキで、そのことがバレて女は飲食店を奪われ、一文無しになった親子は食糧危機の危機感を味わうようになる

やがて発情期を向かえた少女は、吸血鬼と相談して、子供を産むならこの食糧危機を乗り切れる強い生物の子供がいいと考えた
物知りの男から「この時代で一番強い生物はクラゲ。クラゲは食料が無いと自分の身体を小さくして生き延びる」という話を聞いた少女は、
クラゲの家へ忍び込み、眠っているクラゲと交配しようと圧し掛かった
翌日、家に帰って来た少女の身体は何故かクラゲと同化していて、全身が透けた少女の胸には赤い心臓が透けて見えていた
つづく


8: 2010/10/11(月) 15:22:50 ID:NpHnVsat0
つづき
怒り狂った女はクラゲの家へ押しかけるが、クラゲの一家は葬式の最中で「お前の娘が圧し掛かったせいで、こいつは潰れて死んでしまった」と逆に涙ながらに抗議された
怒りが収まらない女はクラゲ達を殺そうと襲い掛かり、逆に殺されてしまう

その後、クラゲの様な身体になってしまった少女は吸血鬼と相談し、流行ってない水族館の水槽に入れてもらうことにした
少女はこそで長い間ただ何もせずにすごした。時折くる客が物珍しそうに少女を眺めたが、
時折吸血鬼が様子を見に来て、少女に「随分小さくなったね」と言った
水族館の外の世界では荒廃が進んでいるらしく、やつれた吸血鬼は「最近は血を吸える人間も見当たらない」と愚痴った
そこへフラフラと人間が訪れ、吸血鬼は久々の食事だと喜んでその人間を殺して噛み付いた
しかし、殺した人間の肌には奇妙な斑模様が浮いていて、それを見た吸血鬼は「しまった!感染者だ!」と叫んだ
吸血鬼は吐血して死んだ。水槽の中の少女は何もすることが出来ず、親友の死にただ涙を流した

時が過ぎ、少女の身体はどんどん小さくなっていった
吸血鬼の死体は腐って白骨化し、水族館の中は薄汚れていった
吸血鬼が付けていた腕時計だけが長きに渉って時間の経過を示していたが、それもいつしか壊れて動かなくなった
『この後、彼女がどれだけ生きるのかは誰も知らない』というモノローグで終わり



10: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/11(月) 16:50:56 ID:I7cPEQCUO
>>7
すごいな…
この小学生今では有名な作家とかになってそう



9: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/11(月) 15:49:24 ID:6xeS3RPJ0
>>7-8
後味悪いっつーか面白かった。



11: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/11(月) 17:16:03 ID:8UJnPVjh0
>>7-8
後のクリオネである



12: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/11(月) 17:52:43 ID:CkRuLkE60
それ、水野純子の「モモンゴ」だよね?
原案は飴屋法水だったはずだが、彼が小学生の頃に思いついた話なんだろうか?



19: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/11(月) 18:53:21 ID:NpHnVsat0
>>12
有名な人だったんか。じゃあ小学生とかいうのは多分俺の勘違いだ



14: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/11(月) 18:04:08 ID:I7cPEQCUO
グランギニョルの人か!納得
有名な作家なんてもんじゃなかった



51: 2010/10/12(火) 12:51:32 ID:y+szn5a80
『昨日公園』の作者の他の話って出てたっけ。

『アイスマン』
主人公は、受験ノイローゼに罹って田舎で療養中の男子高校生。
ある夏祭りの夜、境内で出会った前歯の欠けた幼女に誘われ、見世物小屋を見物に行く。
小屋といっても実体は廃バスを利用した粗末なもの。
入り口には、肉が積み重なったかのように異常に肥満した大男が座っている。
おそるおそる中に入ってみると、見世物は一つだけだった。氷漬けされた河童の死体だ。
だが主人公は、その手に水かきが無いこと等から、これは人の子供の死体では、と疑いを抱く。
しかし大男の異様な風体に怖気づいていた彼は、何も言わずにその場を立ち去った。

翌日も祭りだった。することもない主人公はなんとはなしに足を向け、再び幼女と出会う。
林檎飴を並んで食べたりするうちに仲良くなった二人は、再びバスへと向かう。
主人公も、あれが本当に人の子供の死体だったか改めて確かめたかったのだ。
だが現地へたどり着くと、大男が地元民らしき二人の男に怒鳴りつけられていた。
どうやら大男は、祭りの運営者の許可を得ずに小屋を開いていたようだった。
幼女はそれに、稼ぎの何割かを持っていかれるからそうしているの、と補足する。
だからバスで移動しながら隠れるように店開きをし、毎日場所も変えている、とも。
大男は男達の声を無視するように、無言で椅子に座っていた。
しかしその様子に激昂した男達が彼を突き飛ばそうとすると、とうとう立ち上がる。
そしてあろうことか、その巨大な体躯を用いて男達を撲殺してしまう。
「人間どもめ。全く鬱陶しい奴らだ」
唖然とする主人公だが、大男のその呟きに彼が人外のものであることを何となく悟る。
平然と殺人を犯した大男は、「面倒だがこの地を去る」と宣言した。
そしておもむろにバスから氷漬けの死体を運び出してから、幼女にその始末を命じる。
山奥に向かって運び、その間に溶けるだろうから、死体を焼いてしまえというのだ。
そして主人公に金を握らせ、その作業を手伝うよう指示した。
大男に逆らえない様子の幼女を慮り、主人公は仕方なしにそれに同意する。
「お前は変わっているな。きっとまた会うことになるだろう」大男は不気味に笑った。



52: 2010/10/12(火) 12:52:57 ID:y+szn5a80
二人は山小屋からリヤカーを盗み出し、氷漬けの死体を乗せた。
運んでいる間は、一切の会話がなかった。だが、死体を焼く段になり幼女が不意に泣き出す。
「私には弟がいたの」そう言って死体に縋り付く幼女の腕には、たくさんの噛み跡があった。
ここまでの道すがら、そうやって自分の泣き声を抑えていたのだと主人公は気付く。
幼女は声を上げて泣きながら、弟の死体に火をつけた。

そんな出来事があってから数年後。
主人公は表面上は精神的な安定を取り戻し、やがて社会へと巣立つ。平凡なサラリーマンだ。
だが、その出張先で再びあの見世物小屋と出くわしてしまう。看板は以前同様に「河童の死体」。
「やはりまた会ったな」笑う大男の脇を抜け、嫌な予感を覚えつつバスの中へ。
息を止めて奥を覗き込むと、あの時と同じ、氷漬けの死体が置かれていた。
ただし、前歯が欠けている。
主人公は呆然と振り向いた。大男と目が合う。
衝動的に言った。この死体を買い取りたいと。
大男はどこまでも不気味に笑って、頷いた。

主人公はその後、とある倉庫会社へ転職した。
主な仕事は巨大な冷蔵倉庫の内部管理。厳しい肉体労働だが苦ではなかった。
なぜならその倉庫の奥には「彼女」がいるから。
そして主人公は思う。
学校にも行けず友達もいなかったであろう彼女のために、「仲間」を増やしてあげようか、と。

以上。最後の主人公のモノローグが安っぽいホラーちっくだから、
かえって後味は薄れている気はするけれど。でもやっぱり女の子が悲しすぎた。



56: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 15:41:21 ID:Ukz6WvCH0
昔NHKで放送した海外ドラマ(見た時点で再放送)
内容は難病に犯された女性がいろんな人に協力を求めて薬を開発していく話。
実際の話をドラマにしている。
患者の数が少なく、薬を開発してもお金にならないから協力してくれない。
しかし紆余曲折あり、支援者なども出てきて、最終的には新薬ができるかもしれない。
ってとこで終わる。
ラストに本人が出てきて「きっと成功するわ」と希望を語るのだが・・・
語っている最中にテロップが出てきて、
”このドラマは○○年に制作したドラマです。本人はもうお亡くなりになっています”



58: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 18:41:04 ID:GSMpn2ys0
石田るか「わんこの涙 成犬譲渡ボランティアが見た泣ける話」
兄が経営する犬猫病院を手伝う傍ら、成犬譲渡ボランティアをしている作者が自分の体験をもとにして描いたエッセイ。
その中から特に後味の悪いエピソードを一つ。

作者は都内の成犬譲渡ボランティア団体で働いている。
成犬譲渡ボランティアとは、街中で保護された野良犬や保健所で殺処分を待つ犬を引き取り、
適切な躾や手当を行い、新しい飼い主に渡す活動である。
3年前、同じ団体のボランティア、AとBが珍しい犬種を保健所から引き取ってくる。
その犬は取扱いが難しい(骨が弱い、散歩の際には細心の注意が必要)犬種の上に骨折しており、
本来どの団体も引き取らないようなケースだった。
ボランティア団体の代表者は犬の引き取りや飼い主の調査は慎重に慎重を期して行うべき、
一度引き取ったら最後まで責任を持って飼い主を探すべき、しかし難しいケースは最初から引き受けるべきではないと考えており
その犬の引き取りは団体の趣旨に反していた。
しかしAとBは「このままでは殺処分されてしまう」「可哀想だったから、仕方ない」と代表者に確認もとらず、勝手に引き取ってきた
(保健所へは、別の犬を引き取る予定で行った)



60: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 18:52:40 ID:GSMpn2ys0
案の定、骨が弱い犬の治療には大変な手間がかかり(普通の犬のように、針金やプレートを入れることが出来なかった)
人間のようにギプスをはめ、半年にもわたるリハビリが必要になった。
立つことが出来ないため、大小便は垂れ流しとなり、粗相をする度にお尻を拭き、床を拭かなくてはならなかった。
肝心のAとBは、「他の犬を担当しているから」と引き取った犬の世話を拒否し、著者らが数人がかりで世話をした。
8か月後、犬の怪我は完治した。最初は予定外の厄介者の世話に辟易していた著者らボランティアも
世話をしているうちに情が移り、「フルート」という名前をつけ、可愛がるようになった。
前述のように怪我をしやすい、とても世話の難しい犬種の為、フルートはこのまま団体で飼おうと代表者は考えていた。
著者達ボランティアもおおむね賛成だった。
しかし、それまで一切フルートの世話をしなかったAとBは「この団体は犬を飼う団体ではない。
団体の理念に則って新しい飼い主を探すべきだ」と主張し出した。
その際、AとBは代表者とかなり激しくやり合い(代表者もかなりキツイ性格)、AとBは自分達は会を離脱して新しい成犬譲渡ボランティアを作る。
フルートの譲渡をこの団体での最後の活動にする、と言い出した。



61: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 18:58:28 ID:GSMpn2ys0
出ていくと言っている者を留めるわけにもいかず、フルートはもともとAとBが連れてきた犬ということもあり
フルートの譲渡はAとBに一任されることになった。
AとBはインターネットで新しい飼い主を見つけた。
その飼い主は
・30代のシングルマザー
・無職だが、資産家の父親が生活支援してくれているので暮らしぶりは裕福
・小さい女の子と二人暮らし
・亡き夫が残した都内の豪邸で生活(広い庭つき)
という相当に恵まれた条件の人だった。
一度だけ作者も面会したが若く可愛らしい感じの人で理想的な飼い主に見えた。
フルートはその飼い主(以後、C)に引き取られた。



62: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 19:07:25 ID:GSMpn2ys0
数年後、作者はネットで犬を飼っている人たちのサイトめぐりをしていると偶然、フルートそっくりの犬の写真を載せているブログを発見した。
骨折した際に残った傷跡といい、特徴的な顔の模様といい、年齢といい、引き取られた日にちといい、どう考えてもフルートであった。
懐かしさで胸が一杯になった作者はフルートの飼育状況を載せたブログを読み進めた。
引き取られた初日のブログでは元気いっぱいのフルートの写真が載せてあり、Cがフルートを引き取ったことをとても喜んでいることが伝わってきた。
しかし、翌日のブログには目を疑うような文言が踊っていた。
「今日、散歩中にプルートを自転車のかごに入れて散歩してたら、あのバカ犬勝手にカゴから飛び降りやがったの★
リードで首つり状態になるわ、足は車輪に挟まれて複雑骨折するわ最悪★獣医に連れて行ったら
特殊な犬種で特別な治療が必要だから滅茶苦茶高い治療費かかるって♪でも金ないから放置~♥」
混乱した作者がCのブログを読み進めるととんでもない事実が判明した。



63: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 19:18:57 ID:GSMpn2ys0
・Cは生活保護を受けている母子家庭
・家は狭く古い平屋建ての借家であり、家中に段差がある
・子供は10代後半の男の子で、ひきこもっており、犬を苛めてストレス解消している
・掃除・洗濯は一週間に一回程度
A・Bに渡されていたCのプロファイルは出鱈目だったのだ。
怪我をした後のプルートの写真は載っていなかったがCは高い治療費と、手間暇を食うプルートの介護で
一気にプルートへの愛情が冷めたらしく、わずか1週間で愛犬ブログの更新は止んだ。
それ以降の日付は、月に2~3度思い出したように、更新がある程度になった。
その内容も天気のことや、日常の愚痴の類で、プルートには触れられていなかった。
ブログ最後の更新は1年近く前、しかも内容は
「今日最高気温38度だって★マジやばくね?子供と一緒にファミレス涼みに行って8時間過ごしちゃた★
かえってみたらうちの犬(プルートとは書いてなかった)熱中症で死にかけ♪受ける♥でも水飲ませたらふっか~~~~つ」
いてもたってもいられなくなった作者は他のボランティアと共にAとBの元に向かった。



64: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 19:25:03 ID:GSMpn2ys0
自分たちで新しい成犬譲渡ボランティア団体を立ち上げていたAとBは作者達が2年前のことなどさっぱり忘れており
作者達が詳しい当時のことを話してようやく思い出したようだった。
プリントアウトされたCのブログを見てAとBは流石に驚いたようだったが、
「もう2年前のこと」だとしきりに言い訳を始めた。
代表者が譲渡後に一度も訪問しなかったのか、
家族構成や住居があまりに違うが、引き渡しに行った際家の中に入らなかったのかと問い詰めた。
しどろもどろのA曰く
「新しい団体立ち上げの準備に忙しかった」
「家は改装中なのであげられないと言われた、近所の公園で引き渡した」とのことだった。
何も言う気になれず作者達はAの自宅を去った。



70: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 20:12:07 ID:GSMpn2ys0
作者達は最初、記録に残っていたCの住所を尋ねてみた。
埃まみれの大通りに面した、築40年はたっていそうなあばら家には庭などなく、既にC達も住んでいなかった。
不動産と大家に問い合わせたところ、家賃を何か月もため込んだ挙句夜逃げしたという回答が返ってきた。
犬が残されていなかった、と聞いてもCが借りていた家は壊れた電化製品と、大量のゴミ山の中に犬の抜け毛やカラカラになった糞が残されていたが
犬の姿はなかったそうだ。近所に聞き込みをしたがゴミをため込んで腐らせるわ、夜中の2時3時まで大音響の音楽を流して安眠妨害するわ好き勝手にゴミを出すわの
モンスターであったCに近所付き合いなどなく、誰も近況を知っている人はいなかった。
ただ、Cが犬を散歩している姿は誰も見たことがなかった。
次に作者と代表者は緊急連絡先として記録されていたCの実家を尋ねた。
栃木にあるCの実家は、大変な豪邸で「実家は金持ち」だけは本当のようだった。
玄関先に出たCの父親は、Cの名前を出すだけで不愉快になったらしく、作者達を家にあげもしなかった。
父親によると
・Cは高校の時に妊娠し、相手の男と駆け落ちしてからはほとんど連絡がない
・その際に何千万も入っていた通帳を盗んで解約した為、勘当した。
・Cも孫も自分は関係ない
・最後に会ったのは半年前で、その際Cは交際中の黒人と再婚し渡米するので、準備に必要な金をせびりにきた
とのことだった。犬は連れていなかったらしい。
作者達は最悪の事態を想定し、手分けして都内中の保健所に電話をかけ、フルートと同じ種類の犬が保護されていないか、もしくは保護されたことがないか聞いた。
しかしどの保健所からもフルートの記録は出てこなかった。
結局、フルートの生死すら確認できないままこの件は終わり、作者は後遺症の残った体で虐待を受け続けるなら
死んでいた方がフルートも楽かも知れないと結んでいた。



71: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 20:13:34 ID:GSMpn2ys0
この件の後、代表者が電話とAに事の顛末を説明したがAは「年間に40万頭も殺されてるんだからまずは助けることを優先すべきだ!
現に私は本来見殺しにされた犬を何匹も救ったではないか!」とガチャ切りしたらしい。
確かに会の主義に背いてAとBが引き取った犬の中には無事回復し、優しい飼い主に引き取られ幸せな生活をしている犬もいる。
しかし、結局難病が治らないままたくさんの手間とお金を注ぎ込んだ挙句に死んだり
結局飼い主が見つからず保健所に戻したり(酷過ぎる虐待を受けていた為、人間に全く懐かず団体での飼育も不可能だった)ということも珍しくなかった。
AとBは今でも成犬譲渡ボランティア団体を運営している。



67: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 19:38:26 ID:BcekI0KO0
後味というか胸くそ悪いな



68: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 19:38:29 ID:0z8pCqNzO
ここまでの時点で充分後味悪いし胸糞悪いわ
Cも勿論だが、AとBも偽善者としか思えん



73: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 20:22:45 ID:rRqmyH6iO
>>71
乙です
犬の行方がわからないままなのがリアルで後味悪いですね
犬猫板見てると愛護の名を借りた集金団体が動物をずさんに扱っている
問題が投下されたりしていて気分が重くなります



72: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 20:19:21 ID:GSMpn2ys0
自分の知り合いで飼い犬骨折したいるけど
骨折した足をリハビリさせないと、骨が曲がったままくっついて片足引きずって生活するようになるんだよね。
人間なら、靴と靴下が守ってくれるなら良いけど犬は地面と接触して擦過傷になる。
擦過傷は放っておくと雑菌が入って死ぬ。



76: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 21:09:52 ID:P7iPn9O70
うちの隣人で足の悪かったおじいさんが可愛がっていた犬を盗まれたんだよ
散歩中に変な中年女に綱取られて
その勢いで転ばされ、そのまま逃げられた。
隣人さんは頭打った上に骨折で一ヶ月入院。犬とられたと
関係者が気づいて動き出したのは数日立ってから。
結局見つからず、隣人のおじいさんはそのまま気力なくして、ぼけてしまわれた
可哀相だったよ
犬も可愛い白い柴でさ
ちゃんと面倒見てもらえてたらまだましだけど虐待されてたらと思うとって泣いてたおじいさんは
今は夢の住人で施設にいるよ
まだ70くらいだったし、それまではすごく元気で明るかったのにね



78: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 21:51:06 ID:oy9p+Fsv0
>>76
こういうの読むと、犯人にマジで天罰おちてほしい。
柴が見つかったらおじいさんも元気になるかな(´・ω・`)



81: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 22:27:33 ID:P7iPn9O70
>>78
優しいコメありがとう
おじいさん、連れ合いの奥さん四年くらい前に亡くされてて一人暮らしだったんだよ
そのおばあさんの生前に二人で知り合いからもらってきて子犬から飼い始めた柴だったから、
余計にいつくしんで可愛がってたんだと思う
毎朝毎晩散歩していて、愛想良くて親切で近所の人たちにもおじいさんと犬一組で好かれててさ
ペットロスとかそういう言葉では済まされない哀しい結末だった



80: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/12(火) 22:24:23 ID:9hHtHQCF0
動物の話は本気で胸糞悪くなるな…



156: 1 2010/10/15(金) 11:14:23 ID:fCLJeGbh0
がらりと変えて車谷長吉の短編を2つほど。

『忌中』
主人公とその妻は、地方銀行で知り合った。
漢字の書き取りが苦手な妻が、主人公に『憂鬱』の字の書き方を尋ねたのがきっかけだ。
やがて結婚した二人は、子は無いながらも幸せな歳月を送るが、老齢に差し掛かった頃に
妻が脳障害を煩い半身不随となる。その他複数の神経症も併発した彼女は寝たきりとなり、
主人公が付きっ切りでその介護にあたるようになった。

日夜続く苦痛。下の世話も夫任せの生活に、妻は「死にたい」と何度も口にする。
枕元では、よれた筆跡で「憂鬱」の文字が書かれた紙がひらひらと風に揺れた。
そしてとうとうある夜、主人公は心中を決意する。
それを告げると、妻は「ながいあいだ、ありがとうございました」とメモで答えた。
そして、決行。主人公は妻を扼殺したのち、首を吊ろうと台に上る。

だが、飛び降りる直前で隣家から響いた赤子の泣き声に驚き、ふと動きを止めてしまった。
結果、主人公は死に損なってしまう。なぜか死ぬ勇気が無くなってしまったのだ。
目的を失った主人公は、妻の死体を着物箱に収めて押し入れに仕舞った。
そして、単純な欲求に流されるだけの生活を始める。
昼はパチンコや趣味の将棋。夜は妻の死体を眺める。死臭が漂っても、あえてそれを深く吸う。
そのうちに思いついたのが、自分を死に追い込む方法だった。
彼は銀行の預金を全て降ろし、散財を始めた。

金が無くなれば生きては行けない。そうなれば自殺を躊躇うこともなくなると考えたのだ。
とはいえ手元には結構な額がある。
金の使い道に困った彼は、按摩屋で出会った女につぎ込んでしまおうと考えた。
はじめは父と娘のような付き合いだったが、情にほだされたのか女も主人公を求め始める。
だがそのすぐのち、女が高価なコートを冗談で欲しがったことで、関係は終わりを迎えた。
主人公は何百万もするそのコートを本当に買い、女に贈ったのだ。
コートを買うために、有り金のみならず、街金でかなりの額の借金をした。
近いうちに借金取りが家に押し寄せ、返済を迫るだろう。
そして家には妻の死体がある。あの死臭はもはや隠し通せるものでもない。
主人公は玄関に「忌中」と札を貼ってから、一人静かに首を吊ったのだった。



157: 2 2010/10/15(金) 11:15:23 ID:fCLJeGbh0
『古墳の話』
古墳好きの主人公。ある時、内部探索中に同じく古墳好きの少女と出会い、親しくなる。
二人は暗がりの中、お互いの顔を懐中電灯で照らしながら、密やかに会話する。
考古学者になりたいと語る少女に対し、主人公は検事になって悪人をやっつけたいと答えた。

その後も古墳の中での逢瀬は続き、やがて外でデートをすることになる(ただし待ち合わせは古墳)
だが、約束の場に少女は現れなかった。どことも知れぬ男に、殺害されていたのだ。
後日犯人は捕まったが、懲役16年。主人公はなぜ死刑じゃないんだと泣き叫んだ。

そんな出来事があって、数十年ののち。
故郷の地を離れ、妻を娶った主人公も、既に老年の域に差し掛かろうとしていた。
徹底した死刑論者になっていた彼だが、少女のこと自体は忘れかけていた。
だがたまたま帰郷した際に、ふと古墳巡りを思いつく。
そして同時に、自分の中にある衝動が生まれていることに気付いた。
彼は素直にそれに従う。そうだ、彼女の家は仏教だったけれど、それでは駄目なんだ、と。
彼は友人と共に、彼女と待ち合わせをしていた古墳に上る。
そして、唖然とする友人を尻目に、厳かに彼女の霊を慰める祝詞を謳ったのだった。


この人の話は、大したひねりもなく面白みという意味では微妙なのだけれど、
だからこその逃げ場がない暗さに、読んでいてとてもダウナーな気分になれます。



162: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/15(金) 15:11:32 ID:+9IKpyvV0
>>157
>そして同時に、自分の中にある衝動が生まれていることに気付いた。

この衝動って、具体的にどういったものだったんですか?
彼女の家が仏教では駄目とか、彼女の霊を慰める祝詞を謳うって、
あまりに突然すぎて意味がわかりませんでしたわ。



163: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/15(金) 15:39:14 ID:fCLJeGbh0
>>162
具体的な説明は無かったんです。
祝詞も突然。仏教徒なら念仏で慰霊するところだけれど、
彼女は古墳好きなのだから祝詞で送るべきだ、と軽く触れた程度。
なんで数十年も経ってからなのかとかははっきり言って不明でした。
(しかもこの祝詞、文中に数十行に渡って羅列されてました。読めませんて)

実際の文章では起きたことがひたすらに淡々と書かれているので、
深く理由を知らずとも「そういうこともあるか」である程度流せるのですが、
自分のあらすじだと独りよがりにしか見えなくなってしまってますね。
うーん、出直してきます。



164: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/15(金) 16:15:47 ID:0Xa9Cor2O
>>163
いや、なんとなく伝わったよ。
面白そうだからよんでみたいなと。はまりそう。



170: 1 2010/10/15(金) 19:43:46 ID:fCLJeGbh0
曽野綾子の短編、タイトルは失念です。記憶で書いてます。

田中何某は29の時、結婚したばかりの妻(A)を置いて熱帯の島国に単身赴任した。
しかしその僅か半年後、彼は赴任先で、会社が倒産したことを知らされる。
会社は現地法人に多額の債務を残したままだった。無論、返すアテなどあろうはずもない。
この無頼な国での借金の踏み倒しであった。彼は死を覚悟して債権者のもとへと向かう。
しかし債権者は彼を殺そうとはしなかった。能力を買われた彼は、名を変えてその下で働くようになった。
名を変えたのは、他にも存在する債権持ち達から逃れるためである。彼は勤勉に働いた。
そのうちに、債権者の姪(B)に好かれるようになった彼は、望まれるままに彼女と婚姻関係を結んでしまう。
日本に妻がいることを理由に断ろうとはしたが、「もうお前は日本には戻れない」と言われ諦めたのだ。

Bは貞淑な女だった。家事に長け、常に夫を立て、理想の妻たらんとする意思に満ちていた。
しかしそれゆえに彼女は家庭に完璧さを求めた。たとえばある料理は酢醤油で食べるものと決まっていた。
彼がたまにはレモンをふりかけて食べたいと要求しても、決して応じようとはしなかった。
さもありなん、その完璧さは一族が望んでいるものだったのだ。
一族の女として生を受けたBにとっては当然守るべきことであり、主人公の要求は理解の外だったのだ。

そんな相手との生活ではあったが、それでも2年間は平穏に過ぎた。Bとの間に愛情も芽生えた。
だがとうとうある日、島の空港まで来た時に、発作的に彼は乗る予定の全くなかった飛行機に飛び乗った。
自分は、勤勉だが臆病で流されやすい性格だと思っていたのに。それは本人ですら驚いた行動なのだった。

頼るアテのない旅となったが、彼は船士の技能を有していたため、貨物船に拾われて糧を繋いだ。
しかしある時チフスにかかってしまい、二ヶ月の入院を余儀なくされる。
そしてチフスの高熱は彼の体質を変えた。抑えようのない食欲に襲われるようになったのだ。
入院中に15キロ増加。その後も太り続けた彼は、外見上も別人同然となった。


171: 2 2010/10/15(金) 19:44:54 ID:fCLJeGbh0
そのような遍歴ののち、彼は日本へ舞い戻った。
以前の妻Aはとうに再婚していたが、そのことに彼はむしろ安堵を覚えた。
やがて彼は、とある会社の輸出部に勤務するようになる。かの国で習得した外語能力を買われたのだ。
そしてそうなると、次は必然である。彼は再び、かつての赴任先であった島国へと派遣された。

以前とは顔形も名も変わっている。島国の住人には、自分の素性に気づく者はいなかった。
彼はふらふらと馴染みの道を歩き、やがて墓地で行われている祭礼の場を訪れた。
この国の人間は、墓に凝ることで知られている。
死した後もその霊は残り墓で暮らす、ゆえにその墓は家屋の様相を呈しているのだ。
彼は幾つかの墓を巡ったのち、Bの一族の墓の扉を開ける。
Bの叔父(かつての債権者)は死亡したらしく似姿の彫像が置かれていたが、
その横ではBが楚々とした面持ちで佇んでいた。
しかし彼女も自分に気づいた様子はない。彼はそのことに、やはり安堵する。
だが、予想に反してBは再婚していなかった。
誰かの妻となるために生きていたような彼女が何故、と彼は不思議に思う。
その答えは、その場に居合わせた彼女の親族の口によって明らかにされた。

まず、彼は、自分がBとその一族を捨てた、と思われていると考えていた。
しかし実情は違った。彼は不慮の事故で死亡したと思われていたのだ。
聞けば、彼がこの島から姿を消した直後、彼の服を着た死体が海から上がったのだそうだ。
遺体は酷い有様で顔面も潰れていた。しかし服を見たBがこれは夫だと言ったらしい。
そうして彼は得心する。
彼はこの島から逃げ出した時、飛行機を降りた際に強盗に遭い、身包み剥がされていたのだ。
そしてその強盗が何らかの理由で死亡したために、このような誤解が生まれたのだろうと。
しかし、その誤解はBの一族にとっては真実以外の何物でもない。
彼の死は、職務中の名誉ある死として受け止められていた。
そして、だからこそ、Bは再婚をしていないのだ。
妻は英雄である夫の霊を慰める役を担う。B自身もそれを誇らしく感じている様子だった。
だがそのために、Bは残りの生涯をこの家の中で、墓の中で過ごすことが義務付けられていた。



172: 3 2010/10/15(金) 19:46:08 ID:fCLJeGbh0
動揺覚めやらない主人公に、Bが遊戯への参加を勧めてきた。遊戯とは、麻雀のことだ。
この国では麻雀は家族で愉しむ遊興として定着していた。親族が集まればまず卓を囲む。
すなわちそれは、一族の墓で暮らすBにとっての唯一の慰めとなっていたのである。
だが、どうしてか嫌がる親族2人を強引に加えてゲームを始めたものの、
Bの腕はお世辞にも良いとは言えないものだった。
慣習的に手心を加えることが許される気風の国ではないので、そのままBは手酷く負けてしまう。
と、Bは突然両手で顔を覆うと、ベッドに横たわり呻き声を上げ始めた。それを沈鬱に眺める親族。
夫の失踪以来、Bは時折酷いヒステリーを起こすようになったんだ、と彼らは語る。
更には、皮膚について奇妙な症状を呈するようになった、とも。
訝る彼の前で、Bの苦しみ方に変化があった。
寝台に横になり、腕を引きつるように伸ばして呻く。
と、みるみるうちにその腕が褐色に染まっていき、皮膚が乾いて白く浮き上がった。
「始まったのか」親族はそう呟き、Bに近づく。
そして皮を掴んで手首の方向へ引っ張ると、蛇の抜け殻のようにそれがすっぽりと抜けたのである。
彼は息を呑んだ。なんだこの症状は。親族はジンマシンが悪化したようだと語るが、信じ難かった。
だがいずれにせよ原因は明白だった。彼の存在がBをここまで追い込んだことは間違いがない。
Bは泣いていた。だが誇り高くあろうとする意思がその目には宿っていた。それが今の彼女の全てなのだ。
その意思を挫くわけにはいかない。彼女のこの姿を前にしても、自分は素性を明かすことは出来ないのだ。
彼は懊悩する。そしてその果てに、せめてこの出張中だけは、毎晩彼女と麻雀してやろうと決意するのだった。


…長くなってしまったけど、以上です。
Bが兎に角哀れなんだけど…それだけに、最後の主人公の決意が…。それでいいんかい!という感じで…。
最後の最後で後味の悪さの方向性がぶれたのが後味悪い点、というべきなのでしょうか。うーん。



184: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/15(金) 22:06:48 ID:L4InhxUr0
>>170
『人間の肌』ですね。途中までは「或る日本人の半生」という雰囲気で
冒険譚っぽかったのが、Bのエピソードで一気に暗くなるんですよね。
同作者の『暗い長い冬』を以前書き込んでくれた方でしょうか。
曽野綾子の中ではあちらが白眉だと思いますが、他も面白いですよね。



185: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/15(金) 23:16:21 ID:mj3PbDz7O
井上ひさしの短編より

ある行商人の男は、遊郭から身請けした女を妻にする。

女は、愛情の証として小指をつめており、その美しさもあってか村中の噂の的となってしまうが、男は変わらず妻に愛情を注いでいた。

しばらくして、男は行商の旅に出ることとなり、妻は一人留守番をすることとなった。

商売はうまくいき、帰りの旅の途中、男は不思議な老人に、旅を無事に終わらす指南書を買わないかと持ちかけられた。胡散臭く思ったが、老人がぼろぼろで気の毒だったし、多少の余裕もあった為、買うことにした。


迷った時に開けと数枚の紙を渡され、騙された気分だったが
渡し船に乗るか迷った時に紙をみると、「急がば回れ」とあり、乗らないことにしたら、後でその船が転覆したりと、色々な危機を助けられて、男は無事村へと帰ることができた。

村に入って、まだ見ていない紙があるのに気づいた男は、紙を開いてみた。そこには、
「七度たずねて人疑え」とあった。

なんのことだか首を傾げながら家の前に来た男は、妻と男らしき2人分の影が障子に写るのを見てギョッとする。
妻は間男らしき影に酌をしたり、親しげに話しかけている。やがて妻は灯りを消し、2人で床に入ったようだ。
頭に血が登った男は、「やはりそういう女だったのか!」と、庭にあった薪をつかんで障子を蹴り、驚いている妻の頭めがけて振り下ろした。

灯りを付けてみると、男とおもわれたのは、大きなわらの人形だった。

妻は自分の素性を知って隙を狙う村の男達から身を守る為、こんな芝居をしていたのだ。
夫のいない寂しさを紛らわしていたのもあるのだろう。

しかし、男がそれに気づいた時には、妻はこときれていた。



202: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 00:46:50 ID:VbHov0CJO
>>185
良い感じに後味悪いな
どうにもならない状況に追い込まれて、というのよりはあの時ああしていれば、という選択肢がある方が辛いもんだ



212: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 15:36:07 ID:b/UBunDeO
>>185
それ井上ひさしだったのか

自分は民話集かなんかで読んで
船の「急がば~」からもう二、三個あって
最後は「短気は損気」でちゃんと誤解がとけてハッピーエンドだった



193: 1 2010/10/15(金) 23:59:23 ID:PpBq77JM0
布団に入って寝ようとしてたけどふと目が覚めて医者で思い出したから書く
短編小説『怖い目』

主人公(女性)の恋人の民俗学者(男)は、ある時から目を患ってしまう
民俗学者としての将来を悲観した恋人は荒れ、やがて完全に失明してしまう
いくつもの病院をめぐったが「もう治らない」と言われ、神頼みとしていくつもの神社を巡ったが効果は無かった
そんな恋人を不憫に思った主人公は、支えになりたいと思い、恋人と婚約をした
しかし、結婚式を間近に控えているにも関わらず、婚約者は行方不明になってしまう
身内達は婚約者は自殺したのだろうと思ったが、主人公だけは婚約者が生きていることを信じていた
婚約者の部屋から手ががりを探し、やがて婚約者のノートパソコンから、ある島に関する資料を見付けた
その島には「百目様」という神を祭った神社があり、百目様は腐肉の塊に何百もの目が付いた妖怪変化のような姿をしているのだという
百目様には眼病を治す力があるとされ、目を患っている者達がその島を訪れ、そこで盲目の者同士だけで一種のコミュニティーを作って排他的な生活をおくっているらしかった
主人公は婚約者がいると信じてその島へと向かった

島へ向かう船に乗っていた主人公は、島へと物資を届けに行く漁師から「百目様は実在する。皆が見たと言っている。俺も見た」と言われた
漁師は百目様を恐れているらしく、青ざめながら「あんな化け物を崇めるのは、目が見えない者だけだ」と言った
島に着いた主人公は、そこで自分を盲目だと偽ることで島へ入ることを許可された
島民達によると、百目様は目が見える人間が嫌いで、そういう人間が島に入れば百目様に殺されてしまうのだと言う
島民たちは百目様のご利益を妄信しており、その証拠として時折島民が行方不明になるのだと言った。島民が行方不明になるのは目が見えるようになったからで、百目様の祟りを恐れて島から逃げ出すのだと言った
つづく



195: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 00:07:39 ID:djZ3mCrN0
つづき
島民たちは、神社の周辺で採れる食べ物を「百目様のおこぼれ」として丁重に扱い、週に一度そのおこぼれを皆で食べる儀式をしていた
主人公は島で暮らす通過儀礼として強制的に儀式に参加させられてしまう。深夜、明かりも無い真っ暗闇の中で、島民たちは集まって儀式を始めた
主人公は、これまでに見聞きしてきた島民達の発言や雰囲気から「食べねば殺される」ということを察し、しかたなく真っ暗闇で何なのか判別もできない物体を食べることにした
主人公が気持ち悪さを我慢しながら食べていると、雲の隙間からこぼれた月明かりによってそれが生きたミミズやナメクジや虫や何なのか判別もつかない肉片であることを知った
主人公は「婚約者がいるかもしれないのに、帰れない」と思い、殺されたくないという気持ちもあって全てを食べきった
その後、島民の一人が主人公に「よくやった。正直、食べきれなかった新入りは島の墓地に埋められるんだ」と言った

主人公は一部の島民に婚約者のことを尋ねたが、情報は得られなかった
それから日にちが過ぎたある夜、眠れないので出歩いていた主人公は、藪の中に何かが居るのを見付ける
主人公は「女の勘」でそれが婚約者であることを悟った
藪の中に居た何かは走って逃げた。主人公はそれを追いかけながら「一緒に帰ろう。私が貴方の目になる。もう一度やり直そう」と叫び続けた
そこで何かは立ち止まると、「来なければ良かった」と言った。たしかに婚約者の声だった
婚約者は「俺はもう駄目だ、帰れない」と言い、さらに「君ももう駄目だ」と言うとまた走って逃げて行った
主人公は婚約者を追いかけようとしたが、そこで誰かが主人公の腕を掴んで言った「やっぱりあんたは目が見えていたのか」
主人公が振り向くとそこには島民達がおり、皆手に武器を持って恐ろしい顔で主人公を睨んでいた
主人公は逃げ出し、島民達は「あいつを殺さないと、百目様の祟りが我々にも及ぶ」と追いかけてきた
つづく



199: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 00:39:20 ID:djZ3mCrN0
つづき
主人公は何日も原生林のような森の中を逃げ回り、島民達は毎日主人公を探した
主人公は小動物や虫やナメクジを捕まえて食べ、夜は穴を掘って寝た
主人公は半ば正気を失いかけたが、婚約者を連れて帰りたいという想いで正気を保っていた
ある日、主人公が森の中をさ迷っていると、島民達が仕掛けた罠にかかってしまう
島民達は主人公を殺そうとするが、そこへ何者かが現れ、島民達はいっせいにひれ伏した
主人公が目を向けると、そこには「百目様」が居た。腐肉の塊のようなドロドロとした姿をしており、異臭を放ち、全身を何百という眼球が蠢いていた
そして、主人公はその眼球が本物の眼球ではないことに気が付く
眼球のような物の正体は眼球によく似た頭部を持つ「虫」であり、それが体に空いた穴から頭を出し入れして蠢いていた
百目様の体内には虫が数千匹はいるのだろうと主人公は思った
百目様は主人公のに向けて左腕を動かし、まるで「逃げろ」と伝えようとしているようであった
主人公は罠から逃げ出すが、去り際に百目様の左腕にかつて主人公が婚約者にプレゼントした腕時計がはめられているのを見た
主人公は海岸まで逃げ、そこで物資を届けに来た漁師と再開し、「百目様が出た」と漁師を脅かすことで島から逃げることに成功した

故郷へと帰った主人公はそこで悲しみも恐怖も忘れようとした
やがて悪夢にうなされることが少なくなってきた頃、主人公は身体に異変を感じた
全身が痒くなり、それが毎日続いた。やがて出来物が体中に出来た
ある日、下腹部に出来た出来物を我慢できずにかきむしっていると、出来物が破れ、陥没し、膿のような液が流れ、そこからあの「虫」が頭を覗かせ、すぐに引っ込んだ
主人公は入院し、医師からこう告げられた
「この虫は寄生した生物の肉を腐敗させて食べます。この虫は常に産卵し、今あなたの体内には4百匹以上の虫がいます。
この虫には薬は効かないから、一匹一匹ピンセットで取り除いていくしかありません。辛いでしょうが、頑張って一緒に直して生きましょう」
そして医師は最後に「この虫に寄生されるのは日本では大変珍しい。ナメクジを食べることで感染するのですが、心当たりは?」と言った

その夜、主人公は病院を抜け出し、あの島へと向かって終わり



201: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 00:40:49 ID:djZ3mCrN0
>>193>>195>>199
要領オーバーして削ってたら時間かかった



203: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 00:48:09 ID:Oq2kV7PiO
>>201
面白かった。
異種族が胎内で産卵し続けるっていう厭らしさは、ニドヘグを思い出させる。
こういうの好きだ。



205: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 01:15:10 ID:Hpi1O13dO
>>201
乙です
一見おどろおどろしいオカルトにみえて、ちゃんとそれぞれの事象に
はっきりした根拠(人が消えるのは目が治ったからではなく殺された
とか、百目は神や化け物ではなく寄生虫が原因の病気)があるのが
後味悪さに拍車をかけていますね



207: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 01:26:06 ID:fwXZtJWq0
>>201
乙。要するに、最初のおこぼれ食べる儀式受けた時点で破滅が決まってたのか…



224: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 22:49:34 ID:Fc8PFY3+0
昔読んだ漫画の短編。
うろ覚え。台詞はねつ造も入っていると思う。けどだいたいこんな感じ。

主人公は高学年ぐらい。幼稚園ぐらいの弟がいた。
幼い弟はいつも質問をしてくる。
「なんで空は青いの?」
「なんで鳥は空を飛ぶの?」
鬱陶しいことこの上ない。
母は「そういう時期なのよ。答えてあげてね」と笑顔で言う。
「面倒見てあげてね。弟なんだから」

毎日毎日質問尽くしだ。
「なんで道は続いていくの?」
俺は友達とも遊びたい。弟ばかりにかまっていられない。

ある時から弟の質問は不思議なものになった。
「なんで僕はびしょぬれなの?」
「なんで大人はお兄ちゃんを怒っているの?」
「なんでママは泣いているの?」

留守番を頼まれていた。
短時間だから大丈夫だと思った。
「お兄ちゃんどこへ行くの?」
「おとなしくしてろよ」
そして俺は友達と出かけたのだ。

俺が聞きたい。
「なんで俺は弟から目を離したのか?」「なんで俺は弟から目を離したのか?」

水場に浮かぶ弟の姿。
「なんでこの世には取り返しのつかないことがあるのか?」
答えのない質問を、俺はこれからも聞き続ける…。



226: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 23:04:27 ID:klda1xGG0
>>224
うわぁ、後味悪いー。
まさにこのスレにふさわしい作品ですな…



229: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/17(日) 00:34:00 ID:aWYQUAw/0
>>224
親が悪いのに責められるお兄ちゃんかわいそうだぬ



225: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 22:54:15 ID:+YbtbfqrP
その人のもう一つの短編で鳥の羽ばたきの音が聞こえる奴もなかなか後味悪いよね



228: 224 2010/10/17(日) 00:13:07 ID:x8HZ+06M0
>>225
えっ、誰?
めちゃくちゃ昔に読んだ記憶だけなんで、作者誰かも覚えてません。
有名?



236: 鳥のはばたき1/2 2010/10/17(日) 10:19:47 ID:bsUhl/AvP
>>228
作者はTONO
作品は博士の魚たちに収録されてる「ききたがり」

折角なんで別の短編集から「鳥のはばたき」
長くなったんで分割します。

主人公は女子高生。
ある朝、主人公の姉(社会人)が毎晩鳥のはばたく音が聞こえると言った。
それは姉にだけ聞こえるらしく主人公は聞いたことが無かった。

学校では友人がそれは幸せの青い鳥だという。
姉はもうすぐ大好きな人と結婚するのだ。

帰りに主人公は病院に向かう。
母に会うためだ。
兄が亡くなった後、母は精神を病んで入院していた。
主人公姉妹が友人を連れてくるたび、母は友人を叩いて激昂した。
うちの子供たちは天使様だからあんたたちとは違う、
勝也は空を飛んだ、うちの子にはみんな翼があるんだから
あんたたちなんかとは付き合わない!

母には姉の事は言えない。
今でも友人を持つことを許していないのだから。

母が入院した後世話になっていたおば宅。
おばはそうでも思わないと長男が小3でビルから飛び降りて死んだことをやり過ごせなかったのだろうという。
不幸続きの家だったが、姉はこれから幸せになるのだ。主人公とおば夫婦は幸せそうに笑った。

その夜、姉は婚約者と食事をしていたホテルの屋上から飛び降りて死んでしまった。



237: 鳥のはばたき2/2 2010/10/17(日) 10:22:41 ID:bsUhl/AvP
泣き叫ぶ婚約者、ショックで声も出せずに泣く主人公。
姉は飛び降りる直前まで楽しげにこれからのことを話していたという。

その晩主人公は姉の夢を見る。
鳥のはばたきが聞こえる。
おねえちゃん、それは青い鳥がやってくる音よ。
ちがうの…あのはばたきは幸せが飛び去っていく音なのよ。
ほら、もう一羽もいなくなってしまった。
だからもう 私も おしまい。

姉を呼んで泣き叫ぶ主人公を起こしたのはおばだった。
夢よ、夢を見たのよ、そう言って正気づかせようとするおば。
おねえちゃんが鳥がはばたくっていうの 夜中にはばたくっていうの
でも家の中どこを探しても鳥なんていなかった どうして?
おねえちゃんはノイローゼだったの?!

おばは、一瞬呆然としてこう言った。
勝也が…同じこと言ってた…飛び降りる前に。
ずっと前に死んだ兄。
お前の父親も飛び降りた。自殺なんて信じなかったけれど…

主人公を寝かしつけて外したおばは回想する。
そう、姉(母のこと)が狂いだしたのは長男の時からではなかった。
「夫は天使だったのよ。だから私の子供たちもみんな天使なのよ」
夫の葬式の時からその兆候はあったのだ。
相手側の身内は一人も来なかった。皆、早くに亡くなったのだという。
「あのな、義兄さんの親戚ってな…全員自殺だって…しかも飛び降り」

そんなバカな、そんなことあるわけがない!
首を振って打ち消そうとするおばの後ろで
主人公の耳には鳥のはばたきが聞こえ始めていた。



301: 1/2 2010/10/20(水) 20:03:18 ID:05ew+Z930
小林泰三の「玩具修理者」

ある喫茶店で向かい合っていた男女。
男の方がふと気になった事を女に質問する。
「何で昼間の間はサングラスをかけているんだい?」
その質問に対して女は答える代わりに突然昔話を始めた。

彼女が子供の頃、小学生だった彼女はすでに両親の愛情も小さな弟に取られており、
彼女はろくに遊ぶ間も無く弟の世話を任されたりしていた。
その日も彼女は弟の世話を任され、真夏の暑い日差しの中を弟を背負いお使いに行かされていた。
長い歩道橋を渡り終えようとした時に日差しで息も絶え絶えだった彼女は足を踏み外し階段を転がり落ちた。
自分は痛みはあるが何とか動けるがふとおんぶ紐に括られて背負っていた弟を見ると明らかに死んでいた。
最初は鬱陶しく思っていた弟の死に喜びこそしたが直ぐに両親にどのように攻め立てられるのかと彼女は青ざめた。
そこで彼女は自分の学校で噂になっていたある存在のことを思い出す。
『どんな壊れたおもちゃでも自分の希望通りに直してくれるおかしな人』。
逸れは壊れたおもちゃをただ直すのではなく、例えばリモコンで動くようにして欲しいだとか、
ファミコンに繋いだらゲームが出来る様にして欲しいといった無茶な願いでも叶えてしまうという。
彼女はそこで弟をおもちゃだと偽り、その謎の修理者に“直して”貰えばいいんだと思いつく。
近所のおばちゃんや死んだ猫を同じように直して貰いに行った同級生等、様々な障害を乗り越え、
彼女は無事に修理者のもとにたどり着く。



302: 2/2 2010/10/20(水) 20:05:04 ID:05ew+Z930
現れた男とも女とも取れる薄汚い怪人物に彼女はお願いする。
「これを動くように息をするように、物を食べるように、ウンチをしておしっこをするように…」
彼女が言い終えると怪人は弟を掬い上げると一度派手に叩き落したあとに
カッターと素手だけで皮やその骨格、果ては毛根から筋繊維、脳細胞までを細かく分解し並べ立てた。
同じようにして周りに会ったおもちゃや猫の死体も分解すると、
今度はぐちゃぐちゃに並べ立てられたそれを裁縫糸と接着剤ですごい勢いで組みだし始めた。
そこまでを確認すると力尽き、彼女は意識を失った。
次に目覚めたときにはすでに怪人は引っ込んでおり、数々のおもちゃと共に顔を洗う猫の姿と生きている弟が残されていた。
だが彼女は猫の姿をよく見て必ずしも成功したわけではない事に気づく。
ぐちゃぐちゃの状態から組み立てられた猫はよく見ると目に豆電球が入り込んでいた。
だが、一見すれば弟に違和感は無く彼女はそのまま連れ帰り普段通りの生活をすることにした。

そこまでを聞いて、青ざめた様子の男が嘘だと否定しようとするが、
珍しく語気を荒げた女にまだ続きがあると言われる。

ある日、半狂乱の状態の母の声で失敗だったことに気づく。
彼女は弟を成長させることを忘れていたのだ。
そこで彼女はもう一度、弟を連れ出して怪人に生きたまま“修理”させたのである。
それを失敗があった度に繰り返し、結果、三度彼女の弟は分解され、そのたびに異物が混ざりこんだ。
両親も一度は怪しんで精密検査を受けさせたりもしたが何も写らなかった為、
結局は有耶無耶になったままだったと。
そして女は言う。
最初に修理しに行って貰った時、自分も実は重体であり意識を失った際に怪人によってついでに修理されたと。
その際に自分には猫の目が混ざりこんでしまったために昼間は瞳が細くなるからサングラスをかけているのだと。
男は震えながら言う。
「姉さんは一体、何なんだ?」
女はサングラスを外して逆に質問する。
「あなたこそ一体何なの?」



330: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/21(木) 22:28:41 ID:dc5cb3Cw0
軽めなのを2つ。どっちも小松左京。

『空飛ぶ窓』
雪国に住む夫婦とその幼い娘。
ある日、娘が学校からの帰り途中で「窓」を見たと夫婦に告げる。
「窓」は開けた草地の真ん中にぽつんと浮かんでいたらしい。
夫婦は幻か何かだろうと気にも留めなかったが、その翌日、娘から窓の向こうで
拾ったというヤシの実を見せられたため、一緒に見に行くことにする。
現地に行ってみると本当に窓があった。
観音開きとなっており、向こう側には南国の島国の風景が広がっている。
後ろに回ってみると、そちらからはなぜか宇宙空間が見えていた。
気味悪がって離れようとする夫婦だが、既に一度中に入っている娘は
物怖じせず、制止の声を聞かずに入ってしまう。仕方なくそれを追う夫婦。
だが、「なんなんだここは」と話しているうちに、背後からパタンという音が…。

場面変わって数日後。警官達が、夫婦と娘の捜索が進まないことをぼやいている。
数日前に姿をくらませたきり、全く足取りが掴めないのだ。
そのそばでは、捜索に協力している村人達が薪をして暖を取っている。
寒さ厳しい雪国の話だ。薪にくべる木は貴重で、そこら中からかき集めている。
そして積み上げた木片の中にはあの「窓」があり…村人達はそれを火にくべてしまう。
燃え上がった瞬間、何か妙なものが見えた気がしたが、見間違いだろうと判断されてEND。

※この「窓」は、元々は廃校となった学校のもので、宇宙好きの少年と南国に憧れていた
 少女が、いつもその窓越しに外を眺めながら夢想していた、という説明あり。

夫婦と娘が帰れなくなっただけか焼かれたのかは不明だけど、なんか、むごい…w



331: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/21(木) 22:30:30 ID:dc5cb3Cw0
『ツウペア』
ある日、男は自分の手から血が流れていることに気付いた。
奇妙な話だが、痛みはないし傷口もない。調べてもらうとそもそも血液型も違った。
そして拭いとっても数日後にはまた同じ現象が起きる。恐れおののく男。
更に数日後、今度は夜中に金縛りで目が覚めた。
部屋の片隅を見ると、何も無い空中から血が滴っている。
いや、違った。よくみればその上には女の顔がある。
位置的には、その女の胸元あたりから血が垂れているようだ。
女の顔に見覚えは無い。なんの祟りだ、と怯えるも、どうしてよいかわからない。
鬱々とした日々を送る男であったが、ある日、町で鋏を買い求めている最中に悲鳴を耳にする。
目を向けると、女がいた。女が自分を見ている。その顔は、あの部屋に浮かんでいたものと同じだ。
声をかけると弾かれたように逃げ出したため、慌てて追いかける。すぐに追いつきもみ合いに。
そしてその拍子に、手に持ったままだった鋏が女の胸、あの血の流れていた箇所に刺さってしまう。

数日後。男は殺人罪で逮捕されていた。
面会に来た友人(オカルトに詳しい)に、男は「あの女は今は幽霊となっているのだろうが、
殺される前の過去に戻って俺を祟りに来ていたということなのか?」と尋ねる。
友人はその問いに首を振った。そして調べてきた次のような事実を教える。
男には双子の兄がいた。生き別れとなっており最早他人だが。
また、殺された女にも姉がいた。そしてその姉は、男の兄によって殺されていた。
姉には婚約者がおり、横恋慕した兄が殺したのだという。
あの幽霊は女の姉だったのかと理解する男。だがなぜ自分に祟るのかが不可解だった。
友人はそれに答える。男の兄は、女の姉を殺した後自殺した。
結婚直前に殺された女の姉は恨む相手がいない。だからお前を身代わりに祟ったんだ、と。
「だがその結果、自分の妹が死んだんだぞ」と男は反論する。友人は更に答えた。
妹にも婚約者がいた。近々結婚する予定だったらしい。姉はそれが妬ましかったんだろう、と。

以上、どこまでも巻き添えで救いも何もあったもんじゃない話だった。



334: ΑΩ 1/3 2010/10/22(金) 17:34:24 ID:jWdi3G7g0
部分的に後味悪いのが小林泰三のΑΩ

長い話なんで、かなりはしょる。
太陽系のとある域にプラズマ生命体の一族がいた。
彼らは実体を持たないエネルギー生命体で、データの固まりで
精神を構築してる。その一族が「影」という存在に脅かされ始めたので、
「ガ」という1個体に「影」の殲滅を託す。

「影」は地球に逃げていったので、それを追って「ガ」も
大気圏内に突入する。そこへ日本の国内便が飛んでいて、
プラズマである「ガ」が接近しすぎたために、飛行機は
墜落してしまう。



335: ΑΩ 2/3 2010/10/22(金) 17:36:07 ID:jWdi3G7g0
「ガ」は地球上ではエネルギーとしてしか存在できないので、
墜落した飛行機に乗っていて、死亡してしまった男性の体を借りることにする。死体はぐちゃぐちゃに損傷されてたので、「ガ」はその細胞を
あやつって、すべてを再生させた。そのとき男性の脳も再生できたので、
男性の人格もよみがえる。「ガ」はその精神の一部に寄生して
共存させてもらうことにする。
男性の名前は諸星隼人。

「影」は巨大な恐竜の形で現れて、町を襲いはじめた。
そこで「ガ」は隼人の細胞増殖をあやつって、巨大化し、「影」と
戦うのだが、すんでのところで逃げられてしまう。

ここまで話したところで、分かる人は分かると思うけど、
この話はSF版で、スプラッター風味の「ウルトラマン」。

それで、「ガ」は最終的に「影」を殲滅することに成功するのだが、
何度も「巨大化」を行ったために、隼人の細胞は寿命がつきてしまい、
隼人の体はぼろぼろと朽ち始めてしまう。



336: ΑΩ 3/3 2010/10/22(金) 17:37:40 ID:jWdi3G7g0
そこで「ガ」は、こんどは自分のプラズマ生命体としての「データ」の
一部に隼人の精神を取り込み、一体化した存在として宇宙に帰る事にする。
隼人もそれに賛同する。

これまでのいきさつで、隼人と一緒にずっと行動していた刑事がいた。
刑事は隼人の体が朽ち果て、その後「ガ」に宇宙に連れて行かれる
一部始終をかなりの近距離で見ていた。

「ガ」がプラズマ生命体に戻って宇宙に帰る時に、
「青い光」(おそらくチェレンコフ光)を放ちながら飛んで行ったのだが、
刑事はそれを浴びてしまう。そのときはすこしくらっとする程度だったが。

刑事はその後、脱毛、けいれん、激しい嘔吐観、意識混濁に
苦しめられるハメに陥る。

最後は一応ハッピーエンドだと思ったのに、何故このエピソードをいれたんだろうと思った。刑事、何も悪い事してないのに。



340: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/22(金) 20:49:42 ID:22aBD62b0
外国の童話っぽい短編集より。

美しい姉妹がいた。
妹は姉を慕っていたが、姉はいつも「あそこの姉妹は揃って美しい」と言われることを疎んじていた。
姉は、自分だけが美しいと言われたかった。

姉は魔法使いに、「妹を男にしてください、彼女が女の運命から逃れられるように」とお願いする。
願いは叶えられ、美しい青年に変えられた妹は「これで姉さんを守ってあげられる」と喜ぶ。
すべてがうまくいったように見えたが、今度は「あそこの姉弟は揃って美しい」と言われるようになり、
姉はそれにも我慢が出来なくなる。

姉は魔法使いに、「弟(妹)を馬にしてください、人の苦しみから逃れられるように」とお願いする。
願いはかなえられ、弟は馬になり、「あそこの娘と馬が一緒にいるのは美しい」と言われるようになる。
姉は魔法使いに「馬(妹)を木にしてください、長く安らかに生きられるように」とお願いする。
願いはかなえられ、馬は木になり、美しい花を咲かせる。
夜は風に吹かれて、「姉さん、姉さん」とささやく。
「あそこの娘が木のそばにいるとまるで一枚の絵のようだ」と人は言い、
姉はやはり自分ひとりに向けた称賛の言葉が得られないことが嫌でたまらない。

姉は悪魔に、「妹を石にしてください」とお願いする。
世にも醜悪な悪魔は姉を抱き寄せ、くちづける。
妹は大理石になり、姉は地獄に落ちた。
姉は妹でできた墓標の下で、
「なんと美しい石だろう」と通りがかる人々が口にするのを永遠に聞き続ける。


一見因果応報だけど、妹なんにもしてないのに石かよ!と思った。



342: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/22(金) 22:13:37 ID:ivl111+J0
>>340
理由を正直に話していれば
「姉妹別居すればいいんじゃね?」ってツッコミが入って完だったのにね。



341: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/22(金) 21:14:55 ID:jiQgOgxeP
妹離れしろよとか思った



380: クロスファイア1/3 2010/10/23(土) 22:38:08 ID:pl+yvdf/0
連れ子でgdgdで思い出した。小説内のあるエピソード。

少年の母親が再婚して弟ができた。
無口で大人しい少年と違って、弟はわがままなだだっ子だった。
母親に対してはベタベタと甘えていたが、
少年に対しては嫉妬をむきだしにして反抗する弟だった。
それでも初めてできた弟が嬉しく、まだ幼いからうまくいかないけど
そのうち仲良くなれるかも…と少年なりに弟をかわいがっていた。

ある日、少年は弟の帰りが遅いのを心配して公園にやってきた。
広場の中では何かが燃えて動いていた。
燃えている先では女の子が「ごめんなさいごめんなさい…
でもいつもいじめるんだもの」と泣きながら謝っていた。
その時理解した。目の前で燃えているのは弟だった。
少年は絶叫した。



381: クロスファイア2/3 2010/10/23(土) 22:39:25 ID:pl+yvdf/0
駆けつけた大人達が消火に当たったが、すでに弟は消し炭となっていた。
少年は「あの子を探して!あの子がやったんだ!」とわめいていた。
しかし女の子を目撃した者は少年以外にいなかった。
そして少年と弟は血が繋がっておらず、弟がかなりわがままだった事実が浮かび上がる。
少年はかたくなに事実を述べた。周りの大人達はそれを信用しなかった。
少年は何度も事情徴収され、精神的な病気まで疑われた。

最終的に弟の死は事故として処理された。
再婚によって明るくなった家の中は、その日を境に崩壊した。
少年はますます無口に育ち、成長して刑事となった。
仕事のため家を出る日、無言で少年を見送る母親がやっと口を開いた。
「最後に教えて。弟を殺したのはあなたなんでしょう?」
少年は悲しい気持ちで否定する。「違う、女の子はいたんだ。僕は探してみせる」
母親に告げた後、少年は家を出て二度と戻らなかった。



382: クロスファイア3/3 2010/10/23(土) 22:40:48 ID:pl+yvdf/0
ちなみに弟が燃えたのは発火能力を持った超能力者(女の子)の仕業。
そんなもんわかるわけねーっていう。
少年一家はとんだとばっちり。

で、この件があって以来、女の子の両親は死にものぐるいで能力を制御させる教育を施した。。
感情が高ぶると能力が漏れてしまうため、いかなる時にも動揺しないように
感情を押し殺すように、人と親しくならないように、徹底的にしつけられた。
おかげで能力の制御はできたものの、常に一人でいることを強いられて
何かを楽しんだり喜んだりもできず自分は何のために生きているのか苦悩する。

最後は突き抜けて「能力使って裁かれない犯罪者燃やせばいんじゃね?」という結論に至る。
力を使って少年犯罪だから無罪でした!な犯罪者を捜しては焼死させていく。
異様な焼死事件が続き、刑事となった少年が女の子まで一歩一歩近づいていくって話が本筋。



399: 取替えっ子1 2010/10/24(日) 07:55:39 ID:pwaU50Zv0
レス読んでたら思い出したゲソ『取替えっ子』内容は超うろ覚えゲソ。最初書いてたら4レス分くらいになったから簡素に書き直したゲソ
付箋とか色々ぶった切るから訳分からんことになるかもしれないゲソ

主人公の女性は病院で男の子を産んだげs。夫は「子供は一人。男の子が欲しい」と言っていたので、主人公は男の子を産めたことが嬉しかった
夫は会社社長の息子で、会社の重役だった。主人公は玉の輿に乗っていたけど、夫の愛さえあればそれで良かった
幼い頃に家族を亡くし、虐められながら孤独に生きてきた主人公にとって、都会に出て出会った夫だけが唯一の家族だった
主人公は「この子は夫婦の絆。この子がいれば幸せになれる」と思った。それからしばらくして、主人公は我が子が影に攫われる夢を見た

それ以来、赤ん坊は主人公に懐かなくなり、主人公が触れるのを拒み、毎日のようにぎゃあぎゃあと泣き喚くようになる
主人公はノイローゼのような状況になり、大声で喚いたり、召し使いにあたりちらすようになった

その後も主人公の症状は悪化していったが、あることが切欠で、生まれ故郷に伝わる「取替え鬼」の伝説を思い出す
取替え鬼は、人間の赤ん坊と鬼の子を入れ替えて“取替えっ子(チェンジリング)”してしまう鬼であり、もしこの鬼に赤ん坊を取替えられたかもしれないと思ったら、その赤ん坊を炎で炙れば良いと伝えられていた
人の子であれば仏の加護があり、鬼の子であれば焼け死ぬ

そして、主人公は子供の頃の記憶を少しだけ思い出した、部分的な記憶ではあったが、それは主人公が醜い取り替え鬼に襲われる記憶だった
主人公は取替え鬼の存在を信じ、自分の子供が鬼の子に取り替えられているのではないかと疑うようになる



400: 取替えっ子2 2010/10/24(日) 07:56:54 ID:pwaU50Zv0
ある日、夫が仕事から帰ると、家の中が焦げ臭かった。台所では主人公がまるで何かの儀式のように赤ん坊をガスコンロの炎で炙っていた
夫は主人公の顔を何度も殴りつけて赤ん坊を取り上げた。赤ん坊の身体には主人公の爪痕がクッキリと残り、背中は焼け爛れていた
主人公は病院に強制入院させられた

主人公は病院のベットに拘束され、誰も主人公に外の情報を与えなかった。点滴が打たれる度に主人公の意識は鈍っていった

ある日、主人公の病室に「取替え鬼」が現れる。その鬼は、かつて主人公を襲った鬼と同じ顔をしていた
主人公が鬼に問いかけると、鬼は答えた「いや、あんたの子が取り替えられたことは事実だが、それは俺の仕業じゃない。やったのは・・・」
子供を取り替えていたのは夫だった。実は夫には愛人がおり、その内の一人が主人公と同時期に妊娠した
愛人は、夫の会社の取引先会社社長の一人娘であり、もしこのことが世間に知れれば、夫の会社は取引先を失って倒産しかねなかった(そうなれば沢山の社員が路頭に迷う)
そこで夫はある計画を立てた。生まれた赤ん坊を取り替え、妻の精神を病ませて病院送りにし、合法的に離婚し(法律上可能)、その後愛人と何食わぬ顔で再婚する
殆どが夫の計算通りに進んだ

取替え鬼は「俺(取替え鬼)は存在しない。俺は、点滴に入っている《何か》に蝕まれたあんたの脳が作り出した妄想だ」と言った
主人公が「子供の頃に会ったことがあるはずだ」と言うと、鬼は「よく思い出してみろ」と言った
主人公が幼い頃に見た取替え鬼の記憶を探ると、その「記憶の中の醜い鬼」は本当は「自分」であり、「記憶の中の自分」は本当は主人公の「妹」であった



401: 取替えっ子3 2010/10/24(日) 07:58:42 ID:pwaU50Zv0
主人公の妹は性格が良くて周りから可愛がられていて、性格の捻じ曲がっている主人公とは対照的だった
主人公は妹を妬み、毎日虐めていた。妹が誰にもそのことを言わないことをいいことに主人公の虐めはエスカレートし、ある夜、主人公は妹を連れ出し、暖炉の炎の中に放り込んで焼き殺してしまった
翌日、主人公は嘘を並べて言い逃れした。警察は事件を事故として処理した
その後、主人公は記憶の中で「妹を殺した醜い自分」を「自分を攫おうとした醜い取替え鬼」に置き換え、
「自分が虐めた可哀想な妹」を「虐められた可哀想な自分」に“取替えっ子(チェンジリング)”することで都合の良い記憶を創り上げていた

取替え鬼は言った「俺(取替え鬼)はあんた自身なんだ。あんたは今、過去の報いを受けてるんだ」
立ち去ろうとする鬼に主人公は「私の本当の赤ちゃんはどこ?」としきりに尋ねた
鬼は主人公の胸の上に何かを放り投げた。それは、腐って変色し、大量の虫が集っている赤ん坊の死体だった
主人公は悲鳴を上げた

病院の一室で話していた夫と医師の所にも主人公の悲鳴が届いた
医師は「《特別な治療》が効いているようですね。今頃どんな妄想を見ていることやら」と言った



説明下手でごめんゲソ、夫の計画が正確に伝わるか分からないゲソ
要は、愛人は子供産んでないってことにして、愛人との子供を「主人公との子供」って偽って、主人公と離婚して愛人と再婚しで、愛人と愛人との子供と三人で暮らすって計画だゲソ
夫は最後に医師との会話で「それに僕、『子供は一人』って決めてるんです」とか言ってたゲソ



471: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/26(火) 14:17:13 ID:/ho20v/i0
'90年代くらいの、DNA鑑定が一般化し始めたころに見た2時間物のテレビドラマ。

ある中堅企業の社長の妻である主人公は、亭主関白な夫が愛人に子供を産ませたことを知り動揺する。
そんな折、夫の部下(既婚)が悩みの相談で優しく接してくれ、やがて一度だけ男女の関係を持つ。
その直後、主人公の妊娠が発覚した。今まで夫とはなかなか子供ができなかったのにもしや、と主人公は疑い
部下に妊娠を打ち明けると、優しかったその男はとたんに手の平を返して疎遠になった。
モヤモヤした気持ちを抱えつつ、一人息子を産む主人公。
時は流れ、息子が10歳くらいになった頃、前々から自分には全く似ていないことで妻の浮気を疑っていた夫は
愛人とともにDNA親子鑑定をするよう主人公に突き付ける。
もし他の男の子供なら、離婚して母子ともに追い出し、愛人の子を跡継ぎに据えるというのだ。
困った主人公は、秘密裏に愛人と接触を図る。
社長に愛想を尽かしつつあり、子連れ結婚でもいいと受け入れてくれた恋人ができた愛人は、
スムーズに自身の手切れを進める目的もあり、利害の一致で主人公と保険証を交換し互いに相手になりすますことを提案。
立場を入れ替えて受診し、採血でDNA鑑定した結果、“妻の子(実際には愛人の子)”は実子だが
“愛人の子(実際には妻の子)”とは血が繋がっていなかった。
「あいつは俺に囲われながら別の男がいたんだ!」と激怒した社長は愛人と手を切り、
「やっぱりお前だけが俺の息子だ!」と喜んで主人公の子を抱きしめる。
親子団欒の図に、「これでまた日常どおりだ。私が自分の大きな秘密を知ってしまった以外は」と
主人公のナレーションがかぶってEND。

途中、主人公が親友(女友達)に秘密を打ち明けて相談する場面で
「科学の進歩が人間を幸せにするとは限らない。昔なら何も知らないまま過ごせた家族の秘密まで暴き、平穏を崩してしまう」
といったような会話が出てきたりして、DNA親子鑑定の広まりの是非を問うドラマだったんだろうけど、
第三者や何の罪もない息子達が言うならともかく
先に愛人作ったのが夫だろうが何だろうが、まともに避妊せず不倫して婚外子を孕んだお前が言うなよと思った。



496: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/27(水) 13:53:14 ID:USKjIpKi0
その時、キューティが初めて声を発した。「パパ!」
呆然とキューティを見つめた彼は一つの決心をする。
キューティがもし死んだら、その時は自分も後を追おうと。
そうして自分が本当にこの子を愛していたことを、愛玩動物として
見ていたわけではないということを自らに証明してみせようと。
キューティはその後もどんどんと言葉を覚えていった。
主人公の決意も変わらない。今は静かに二人で終焉を待っている。
ただ、主人公には一つだけ、問いがあった。
それは、「もしこの子が自分をパパと呼ばなかったら、やはり自分は
この子の死を軽く扱おうとしていたのではないか?」というものだった。

以上。世界の思想・主人公の思考のどちらも気持ち悪いし、最後の自問ももやもや。
人工ベイビーを愛玩動物扱いすることに抵抗は感じていたようだけれど、
それ以前の問題に思える。もやもや箇所が多すぎる話でした。


もーひとつ。

『僕になることを』
同じく未来SF。この世界では、人体にスペアの機構を予め用意しておくことが定着していた。
例えば心臓の横に代理心臓を据え付けておくことで、いざという時代替させるのだ。
そしてこの機構は脳に対しても用いられていた。
脳のスペアには特殊な鉱物が使われていたため、世間的には「宝石」と呼ばれている。
この「宝石」には「教師」と呼ばれる機構が付随していた。
「教師」は、メインの脳の生体信号を全て読み取り、「宝石」にも同じ動作をさせるのだ。
この時代の科学水準では、脳の仕組みや精神の拠り所といった命題に対して全てが
解明されていたわけではないが、動きを真似させる程度のことは出来たのだった。



497: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/27(水) 13:54:13 ID:USKjIpKi0
主人公は、幼い頃から「宝石」に対して疑念を抱いていた。
脳が損傷した時、肉体は「宝石」により命を永らえるだろう。
しかしそれは本当に「僕」なのだろうか?という疑念だ。
だが、この世界においては誰もが「宝石」に対して肯定的だった。
特に、20台後半では「スイッチ」(脳を捨て「宝石」に切り替えること)が奨励されている。
脳細胞はこの年齢以降は衰える一方だが、「宝石」は鉱物のため劣化しない。
よって、「スイッチ」することにより最盛期の知能を有し続けることが出来るのだ。
成長し、結婚した主人公であったが、その妻も「スイッチ」するという。それが原因で二人は離婚。
離婚後には「私は今でも昔のまま。貴方を愛するロボット妻より」という皮肉の手紙が届いた。

拠り所を失った主人公は、「スイッチ」に反対する団体を幾つか訪れる。
だがいずれも社会不適豪奢の集まりであり、テロの相談まで持ちかけられて主人公は逃げ出す。
日夜「自分自身」について悩み通す主人公。疲弊するうちに、何が問題だかもわからなくなる。
そして、この先60年の人生を不安のまま過ごすよりはと、とうとう「スイッチ」手術を申請する。

だが、そのすぐ後に突然、主人公は自分の体が動かせなくなる。
正確には、思っているものとは全く違う行動を取ってしまうのだ。
更には、ふと知り合った女性と親しくなり、愛の言葉まで囁いてしまう。
自分はこの人のことをまったく愛してなどいないというのに。

そして彼は真実に気付く。「宝石」を忌避する自分こそが「宝石」だったのだと。
この現象は、「教師」が何らかの理由で損傷したことで、メインの脳を
トレースすることが出来なくなっているために起きているのだと。

そうした真実・不安、それら全てを内包したまま、手術は行われてしまう。
後には「宝石」である自分だけ。彼=メインの脳は全て除去されてしまった。
そしてラスト、彼の、困惑とも達観ともつかない、次のような趣旨の独白で幕を閉じる。
「これで良かったのか、彼が最後に何を思っていたか、僕には何もわからない」

以上。こっちももやもや。



545: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/30(土) 15:54:42 ID:nKPJpSol0
あーバイト疲れた。

今、のど自慢番組観てて思い出した話。たいしたインパクトも無いからどうでもいいかもしれんが

読者から投稿された笑える体験談を寄せ集めた本に載ってた話
投稿者の女性はお腹が膨らんで腫れて、妊娠かと思って病院へ行くんだけど、医者からは「悪性の腫瘍」みたいに言われる
それから投稿者は数ヶ月くらい通院してレントゲンを撮らされたり強い薬を投与されたりするんだけど、投稿者の体調は良くなるどころか何故か悪化していった
我慢できなくなった投稿者が他の病院で診察を受けると、まあ予想どおり投稿者のお腹の腫れは腫瘍じゃなくて妊娠で、お腹の子はレントゲンや強い薬の影響で既に死んでいた
誤診していた医師にそのことを告げると、医師はしどろもどろで言い訳した
その後、投稿者が再度医師に文句を言おうと病院を訪れたら、看護婦から「あの先生は他の病院に移動しました」って告げられる
最後は投稿者さんが「逃げてんじゃねー!」みたいに怒鳴ってる姿がコメディータッチの絵で描かれてた

他の投稿がどれも笑える話だったのに、これだけが全く笑えなかった
本当は重い話なのに「逃げてんじゃねー!」って漫画チックに怒鳴ってるのが不自然で場違いな気がした



546: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/30(土) 16:23:54 ID:dikW+HXE0
>>545
ありえん



547: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/30(土) 16:38:23 ID:xyfEm3l6O
>>545
恐ろしすぎる



548: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/30(土) 20:15:02 ID:WRdtasVuO
完全なネタだな。

違和感ある程腹が膨れる月数なら、もう胎児はポコポコ動いてるし、生理無い時点で普通に気付くだろ。

もしそんなのが載ってたんなら、それを「笑える」「実話」として採用した編集部のセンスが後味悪い。



679: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 01:01:42 ID:jGtYWPv00
手塚の「ザ・クレーター」より。短編集だが後味悪い話の宝庫だったと思う。

舞台は近未来の日本。第3次大戦が勃発し、日本も若者が軍に徴集されていた。
主人公も、そんな若者の一人だった。
彼は人一倍チキンだったが、特攻隊に入れられ、いよいよ突撃することになる。
仲間達が爆撃され墜落していき、とうとう主人公の飛行機も爆撃に遭い墜落。
主人公の乗った飛行機が、敵の基地を爆破したことを知った軍の幹部達
主人公の行方を確認する前に
「首を弾丸が貫通しながらも、敵の基地めがけて突撃し名誉の戦死を遂げた英雄」
と尾ひれをつけまくって、主人公を戦神に仕立て上げる。彼らは何よりも日本軍の名誉が欲しかったのだ。
彼の持ち上げられようは半端なく、日本一の英雄として小学校の教科書にも主人公の死に様が掲載され
主人公の母親も、外出すれば周りから声をかけられるという有様だった。
しかし悪運の強い主人公、実は生きていた。
墜落寸前に飛行機から脱出、命からがら無人島に辿りつき、元日本兵の横井さんさながらサバイバルしながら生きてた。

木でカヌーを作り、漂流しながら軍の本部に姿を現した主人公を見て、幹部達は激怒する。
彼の英雄伝の偽造が発覚するのを恐れ、あの頃と同様の戦死を遂げろと命令する。
せっかく生きて帰ったのに!と刃向かう主人公に向かい、幹部が銃を向け、首元を撃たれる。
手当てもされないまま飛行機に乗せられ、今すぐ敵の基地へ向かえと命令をくだされる。
発進したはいいが、傷が深すぎてで日本軍司令塔上空で息絶える主人公。
操作主のいなくなった飛行機は、そのまま日本軍司令塔に突っ込んでEND

これはやるせなかった…。



681: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 06:38:03 ID:LQw420h8O
>>679
手塚作品はブラックジャックといい後味悪い話多いね
その話はお母さんがかわいそうだった



699: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 20:19:58 ID:aZvTai780
なんか前に読んだ短編。

市役所に勤める主人公はごみ屋敷の処理に駆り出されることになった。
現場に着くとひどい悪臭がし、老人たちが張り切って手伝いに来ていた。

主人公の回想を交えながら話は進む。

小学生の時に父が死んだ。
暴動が起こり、祖母の家に行った母を心配して迎えに行き、家を出たところで襲われて食われてしまった。
主人公は父に香水を振り掛けられ、絶対家から出てはいけないと言われており、
窓から父が食われるのを見ていた。
父が親切にしていた中華料理屋の主人や近所の人が列を作って父を食べていた。

ある時死者が生き返った。
蘇生者と呼ばれる彼らは灰色の皮膚をして普通の食事をせず、生きた人間の匂いを嗅ぐことができる。
生きた人間の肉が一番のごちそうなのだが、しかし理性があるので普段はそんなことしませんよ、という風に生活している。

最初は蘇生者は少数でまわりからさけられていた。。
近所の中華料理屋の夫婦は蘇生者になった途端に客が来なくなったが、主人公の父だけは外食というとそこに通い続けた。
普段は優しい父が主人公がゾンビの作った料理は食べたくないと言ったときだけは主人公に手を挙げた。

蘇生者になった近所のおじいさんは子供好きだったのに子供からさけられるようになった。
そんな優しいおじいさんも暴動の時にこっそりと人肉を食べていた。

主人公の担任は蘇生者になったが死んだ時に顔を食べられていた。
顔が半分ないまま仕事を続けたが、まわりからの抗議にあい学校をやめていった。



700: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 20:21:01 ID:aZvTai780
主人公は太っていてのろまだったので学校ではいじめられていた。
しかしある席替えの時に美人で勝気な少女が主人公を自分の隣に座らせた。
実は少女は肉嫌いで給食で肉が出ると主人公によこし、代わりに少女の好きなおかずをさらっていった。
運動会でクラスの足をひっぱる主人公が休もうとするとそれを怒ったりもした。
しかし少女は転校してしまう。
主人公は卒業文集をつくる係となり、転校していった少女からも原稿をもらい、それを届けにいった。

やがて蘇生者が人間を襲う暴動が起き、父は死に、母は蘇生者となった。
暴動のこともあり蘇生者は隔離施設で生活することになった。
主人公は祖母と暮らしだすが、蘇生動物の肉で作った加工食品が通常の肉と偽装されて社会に出回ったせいで
蘇生者が激増、主人公と祖母も蘇生者となり施設にいく。

そして蘇生者はどんどん増え、とうとう蘇生者の方が多くなる。

隔離施設は解散して蘇生者は社会に戻った。

生の人間はどんどん減り、蘇生者は養殖の人間を食べて暮らしていた。



701: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 20:22:16 ID:aZvTai780
ごみ屋敷の処分がはじまり、老人たちはここに生きた人間がいるに違いないと言い出す。
養殖とは違う生の人間の匂いがする、それをごみの匂いで隠しているんだと。
それは本当で、そこには蘇生者ではない女性が1人おり、みんなで捕獲し縛り上げた。
野良なんだから食べましょう、それくらいいいじゃないですかと詰め寄られ、事なかれ主義の主人公はダメとは言えなくなる。

外側はゴミだらけだが、部屋の中はきれいだった。
そこで主人公は小学生の少女の写真を見る。
それは自分の初恋のあの勝気な少女の写真だった。
近くに自分の届けた卒業文集も落ちていた。
その時の作文のテーマは20年後の自分。
主人公はその作文の中で大事な人を守れる人間になりたいと書いていた。
縛り上げた女のところに行くとやはり彼女はあの少女だった。
彼女は肉を食べなかったので感染せずに生きていた。
普通に暮らしていたら匂いでばれてしまうので家をごみ屋敷にしていたがとうとう見つかってしまったと話す。

蘇生者になった自分の手は冷たく外見も小学生のままだったが、生きた人間の彼女は年齢をとっており暖かかった。
もういい、もう1人で生きていくのに疲れたという彼女に君を決して食べさせることはしない!と主人公は誓う。

ごみ屋敷の処分という話の時には手伝いにもこなかった近所の人間も
生きた人間を食べられるらしいという話を聞いてぞくぞくと集まってきた。
大鍋いっぱいのいい匂いのする料理が運ばれてくる。

やっぱり生の人間は養殖とは違うという会話が聞こえる中で主人公も料理を食べはじめる。
言い訳をするようだが主人公は本気で彼女を助けるつもりだったのだ。
しかしあの匂いに逆らえるわけなかった。
彼女は美味かった。



705: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 23:22:07 ID:gLSazqs10
>>701
なんか設定めちゃくちゃだな
すげえ薄っぺらい



715: 本当にあった怖い名無し 2010/11/06(土) 15:08:20 ID:PyQG+AGA0
>>701
ネタが古いけど、最後のまくし立てるような展開が

しかしあの匂いに逆らえるわけなかった。
彼女は美味かった。 スイーツ(笑)

に見えてきた。



720: 本当にあった怖い名無し 2010/11/06(土) 15:41:56 ID:f5kAAgWi0
日景丈吉 「猫の泉」

日本人の主人公はヨーロッパの山中にある小さな村を訪れる。風景や猫の写真を撮るのが目的だったが、
村人達は主人公を迎えて「異邦人だ、異邦人だ」と騒ぐ。それほどまでに、この村に外界から人がやってくるのは
希なことだった。

村長は主人公に、彼がこの村にやってきた三十人目の異邦人であること、またこの村では、異邦人の十人目ごとに
占いをしてもらう風習があると告げる。占いの能力などない、と主人公は戸惑うが、村長が示したのは村の大きな
時計台であった。なんでも、異邦人だけが、時計台の言葉を聞き分けられるのだという。時計が話すのは夜中だけ。

半信半疑のまま、主人公は時計台で一夜を過ごす。当然言葉など聞こえるはずもない、聞こえてくるのは大きな
歯車達が産み出すため息のような「ガッタン ゴットン」といった音ばかり。
ところが、それを聞いているうちに、その音が
「去れ 若者よ 洪水 大時計」
といった単語に聞こえるような気がしてきた。だが主人公はそんなことあり得ないと思い、また険しい山中の村で
洪水などあるはずもないと思い、そのことは誰にも言わなかった。
占いの結果が出ないということで、次の夜も主人公はまた時計台に泊まらされる。夜、満月に照らされた村から
沢山の猫たちが時計台にやってきて主人公と戯れ始めた。猫たちと遊びながら、主人公は愚痴まじりに呟く。
「時計台が話すなんてあり得ないよね。洪水 大時計 なんて聞こえてくるなんて・・・」
そして主人公はそのまま時計台で寝てしまった。


翌朝
目を覚ました主人公が見たのは、時計台と、猫と、誰もいなくなった村の風景だけであった。

直裁的な描写は何もないが、夜中に時計の予言通り洪水がおき、時計台にいた主人公と猫だけが助かったと
ほのめかせる終わり方になっている。
主人公が最初の夜に素直に時計の言葉を告げていたら、村人は助かったのにと思うと、なんとも後味が悪い。



759: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 01:11:44 ID:YHt9H5FM0
既出かな…さっき「ヨミキク文庫」で聞いた話。

モーパッサンの「首飾り」

************************
平凡な家庭の主婦が、あるパーティーに呼ばれ、
夫に、なけなしのお金でドレスを買って貰うものの、
アクセサリーがない。

そこで、お金持ちの奥さんに素敵な首飾りを貸して貰い、
とても気分良くパーティーでの一夜を楽しむ。
その後、平凡な我が家に帰宅し、コートを脱いで、ドレス姿を再び眺めようとすると、
首飾りが見つからず、夫とともに大騒ぎして捜しまわるが見つからない。

仕方なく、似たデザインの首飾りを、夫婦で探しまわり、
やっと見つけたものの、とてつもなく高価なものだったので、
高利貸しに借金をして、やっとの事で購入し、お金持ちの奥さんに渡した。
夫婦ともに、一生懸命働いて働いて、やっと借金の返済が終わったのは10年後だった。

パーティーの頃の美しさなど、まったく消え去ってしまった妻は、ある日、
件のお金持ちの奥さんに出会う。
変わってしまった自分だが、もう借金もなくなり、
ふと、この10年の話をしてみたくなり、声をかける。

すると、あの時借りたダイヤの首飾りは、実はイミテーションで、
僅かなお金で買える品物だった。
************************
その後が気になり、青空文庫で確認したが、その後なんて書かれていなかった…

モウパンサン 辻潤訳 頸飾り
http://www.aozora.gr.jp/cards/000903/files/43555_16642.html



764: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 04:05:41 ID:x1OLSSvsO
>>759
嫌ないい方かもだけど、身の程知らずな楽しみにうつつを抜かすな
ってことなんかね。無理して買ったドレスや良し悪しも見抜けない
装飾品で飾らないと釣り合わないパーティー、見栄をはるから痛い
目に遭った・・・。地味に後味悪いな、乙



760: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 03:28:44 ID:SNvCpBzJ0
いくらなんでも、イミテーションとリアルの違いくらい
わからなかったのかな?と思ってしまった。
現代と違い、そんなに精巧なイミテーションが出来る
技術があったとは思えないけど。
お金持ちの奥様=本物しか身に着けない
っていう思い込みが悲劇をよんだって事なんだろうけど。
この後、お金持ちの奥様は本物だって知ったら
なんか行動おこしたのか気になるな。



792: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 22:02:05 ID:VsHgt0x60
今年の春くらいに公開されてた映画「告白」。

過激な筋書きなんで拒絶反応起こす人もいるんだけど、
評価する人たちはほぼ一様に、DQNが正当に復習されてGJ!!てな感想の人が多い。
でも自分は後味悪く感じたので、投下してみます。


中学校の化学の女性教員が主人公(松たか子)。彼女の子供は幼稚園児の女児。
彼女はシングルマザーで、幼稚園の閉園時間の関係かなんかで
週一で娘が夕方学校に来て、仕事済ませた主人公と一緒に家に帰る、ってのが習慣になってて
中学の生徒たちにも、主人公母子のその生活パターンは知られている。
主人公が担任してるクラスには、自分は天才だと思ってる男子生徒(実際頭イイ)がいて、
この男子生徒(以下A)は、天才的な化学者の母と平凡な町の電気屋の父の間に生まれた子なんだけど
主人公が幼稚園くらいの時、天才母がダンナの平凡さにキーってなって家出てっちゃって、
その後、Aの父親は、天才じゃないけど家庭的な女性と再婚して、新たに子供作った。
いろんな意味で天才実母の影響強い子に育っちゃったAに対して
実父と継母は、赤ん坊の夜泣きとかで家の中が落ち着かないことに関して
「Aは受験勉強に専念したいのにゴメンね」といって、離れみたいな”勉強部屋”をAに与える。
その勉強部屋で孤独にアヤシイ発明に精を出すA。
作品の一つは「ちびっこ発明王!」みたいな大会で優勝するくらい、それなりに良いデキのものだった。
Aはそういうふうに化学の分野で注目されれば、自分を捨てて行った実母も自分を認めてくれるんじゃないか、
っていう期待を胸に発明にいそしんでたという背景があって、
その大会は、リアル世界でいうところのロボコン?くらいの、けっこう知名度のある大会だったらしく
優勝者は新聞でわりと大きく扱われるはずだったんだけど、
大会のあった日に、信者に毒薬配って集団自殺呼びかけるような厨2サイトに端を発した集団自殺事件が起きて
主人公の大会優勝記事は紙面の片隅においやられてしまう。


794: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 22:09:54 ID:VsHgt0x60
正当なやり方で注目集めようとするより、厨なことした方がみんな注目してくれんのかよ、とキレたAは
頭弱くて利用しやすそうなクラスメートBに目をつけて
「デカいことやって世間の注目集めてやろうぜww」みたいなことを提案。ホイホイと乗ってくるB.
で、担任である主人公の娘殺してやろうぜwwってことに話が纏まり、実行される。
警察では事故と判断されちゃったけど、これは他殺で、犯人はABであると突き止めた主人公は
ABに壮絶な復讐を開始する(正当な手段で訴えても、少年法に守られてABはまともな刑罰を受けないから)。
クラス全員の前に自分の娘を殺したのはABだと告白して、彼らがイジめをうけるようしむけてから、退職。
頭も心も弱かったBはイジめに屈してあっさりと登校拒否。
B母が無理心中図るような事態になるけど、B母もかなりイタい人だったため、Bの返り討ちに合って
Bは実母を殺したヤバい人として施設送り。主人公の復讐その1完了。
でも、頭良いAは中々屈しない。
それどころか本物の厨2病入ってるAは「殺意を抱かれる程憎まれるオレ、かっこよくね?」みたいな気分になって、
卒業式で答辞読むことが決まった時、ウソ800並べた答辞(それを感心して聞いてる同窓生&教師達pgr)
読み終わった直後、講堂ごと爆破して全校生徒巻き込んで自殺してやるwwwとか考え始める。
で、実際、その為の爆弾とか起爆装置とか作って、卒業式前日に講堂の演台に仕掛ける。



795: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 22:11:32 ID:VsHgt0x60
しかし、Aの彼女(Aの自分勝手な理屈によって後にAに殺される)から
「Aの最大の弱点はAの実母、Aの厨思想も実母に注目されたいが為」
という情報を聞き出した主人公は、Aの卒業式での計画を予知し、Aが仕掛けた爆弾を講堂から撤去する。
卒業式当日、起爆装置押しても爆発が起こらないことで動揺してるAに、ケイタイで電話かける主人公。
「あなたの考えること、作るもの、みんなお見通しですから。ていうか、そんなんわたし全部覆せますからpgr」
みたいなこと言って、Aのプライドをズタズタにした後、トドメに
「あ、ところであなたが作った講堂爆破用爆弾、あなたのお母様の研究室に仕掛けて置きましたから」
と颯爽と告げる主人公。
自分が全校生徒巻き込んで華麗に自殺できると思って押した起爆装置のスイッチが
自分の最愛の実母を殺してしまった!?という事実に打ちひしがれて、鼻時垂らして悶えるA。
そこに主人公登場して、Aの髪の毛引っつかんで顔上げさせて
「最愛のものを奪われる苦悩を理解できましたか?……ならば、ここからあなたの更正が始まるのです」
と超クールに告げて、END。


自分原作読んでないんだけど、
少なくとも映画は、「Aの実母の研究室にA作の爆弾仕掛けた」っていう主人公の言葉は
言葉だけの狂言で、ホントはA実母は死んでない、っていう解釈も可能なつくりになってるのね。
だから、ネットとかのレビューでは、DQNなガキに強烈なお灸据えた主人公GJ!みたいな
論調の評価が多かったんだけど、自分の所見の印象では、主人公の意思の固さみたいなのから察するに
ホントにA実母を(間接的に)死なせちゃったんだと思ったのね。
だから、こんなDQNとその母親に対して、正当な怒りを表現しただけの主人公なのに
法的措置としては、Aは未成年ナンタラで守られて、主人公は刑務所入れられちゃうんだろうなー
って思っちゃって、すごく後味悪かった。



826: 本当にあった怖い名無し 2010/11/08(月) 17:43:46 ID:3XgSTxN20
>>792
あー、これ原作を雑誌掲載時に呼んだことあるわ。内容がかなり違ってるんだな
原作では、Aは「自分が危険人物だと世間に認識されたい」って中二チックな願望を持ってて(酒鬼薔薇とかバスジャックの少年とかみたいな)、
Aはそのために、触ると電流が流れる危険なバッグを作って工作の大会みたいなのに送る
Aの思惑とは裏腹に、Aの作った電流バッグは泥棒撃退用のアイテムとして高い評価を得てしまう
それを不満に思ったAは、主人公の幼い娘が主人公の仕事が終わるのをいつもプールの側で待っているのに目を付けて、
娘が欲しがるような愛らしいカバンを電流カバンに改造して、友人に命令してそれをプールサイドに置く
娘はまんまと電流カバンに触れてしまって、気絶してプールに落ちて溺死
娘がAに殺されたのだと悟った主人公は、退職する間際に自分の受け持ちの生徒達の前で「私の娘は殺されました」って告白を始める
友人は焦りまくるんだけど、Aは「計画通り。これで俺は危険人物として有名人」って感じでニヤニヤしている
そして主人公は最後に「私はHIVに感染しています。私の血液を、私の娘を殺した二人の生徒(名前は伏せて)の飲み物に入れておきました。感染してたら、残りの人生を闘病しながらファイトで生き抜いてね」って感じに言って終わる



797: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 22:37:57 ID:2qEUPHPG0
>>795
原作では実母死ぬよ、少年は未だに開発者の仕事をしている実母に褒めて貰おうとする為に有名になろうとしたんじゃなかったけ?



799: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 22:42:11 ID:2sDW4MwB0
>>795
乙です、そういうオチだったのか
漫画を少し立ち読みしただけなんだが、主人公の子供の父親が
エイズで死んだ?有名な熱血教師だかで、あの子は特別な子☆ミ
みたいな設定が気に入らなかったんだけど
DQN少年も母親が天才か…特別な子が多い世界なんだなw



800: 本当にあった怖い名無し 2010/11/07(日) 22:55:20 ID:qA2N+YGz0
一番後味悪いのは、作者が元教師って点じゃないかな?



804: 本当にあった怖い名無し 2010/11/08(月) 00:30:07 ID:V5ZMaxNYO
うおお後味悪ぅ…



886: 本当にあった怖い名無し 2010/11/09(火) 20:36:23 ID:CMloMyuJO
流れぶった切りかもだけど、思い出したので書いてみる。

ある村はずれの粗末な小屋に、武家の奥方(未亡人)と幼い子供が住んでいた。
生活はかなり困窮していて、食べるのもやっとという有り様だった。

ある日、村の有力者の倉から小豆が盗まれ、村人達は犯人探しにかり出された。
村人が奥方の小屋の前にくると、子供が、「あ~かい~まんま食べた~」と歌っていた。

村人たちは、犯人は奥方に違いないと思い、小屋へと押し入り、奥方を問い詰めた。

居住まいを正し、村人を迎え入れた奥方は、盗みなどしていないとキッパリ否定したが、村人達はさっき子供が歌った歌は何だと問いただした。

すると奥方の顔色が変わり、包丁を掴むと、いきなり子供の腹を割いた。中には「赤のまんま」という名前の雑草がぎっしり詰まっていた。

「この通り盗みなどしておりませぬ。」奥方が冷たい声で言い放った。



887: 本当にあった怖い名無し 2010/11/09(火) 20:38:57 ID:GGqDpNzz0
>>886
ぶっ飛んでんな



888: 本当にあった怖い名無し 2010/11/09(火) 20:44:23 ID:MmXkf5OZO
後味悪の黄金パターンですねゾゾーッ



891: 本当にあった怖い名無し 2010/11/09(火) 22:55:05 ID:MrkUTPHZ0
運命のボタン

ある夫婦の元に謎のスイッチを持った男が訪れ、そのボタンを押せば
地球のどこかであなたたちの知らない人間が死亡するが、代わりに
五万ドル貰えると説明する。
夫はタチの悪いイタズラか、もし本当だとしても誰かを殺して金を貰う
なんてごめんだと取り合おうとしないが、妻は



896: 本当にあった怖い名無し 2010/11/09(火) 23:53:01 ID:MrkUTPHZ0
>>891
妻は金に目がくらみ、知らない人間が死んだっていいじゃないといい、
ちょっとした夫婦喧嘩に。
なんとか仲直りするが、おさまらない妻は夫が仕事に出かけた隙にぽちっとな。
そこへ病院から電話がかかり、「旦那が死亡しました」
保険金五万ドルゲット。
妻はボタンを届けた男に猛抗議するが、男は澄まして答えた。
「あなたは旦那のことを何も知らなかったんじゃありませんか?」




959: 本当にあった怖い名無し 2010/11/11(木) 01:53:53 ID:nXen9vkd0
寝ようと思ったけど気が向いたからスレ埋めに協力するぜよ
漫画『ハッピーピープル』呼んだの消防の時だからうろ覚え。このオチ似た話は実際にあったらしい

ある青年が「女にモテたい」という理由で車を買った
初めて助手席に乗せる相手は女性と決めており、乗りたがる友人を拒んで一人で出かけた
さっそく道行く女性に声をかけまくり、一人の女性が青年の誘いに乗ってくれた
青年は有頂天で車を運転するが、突如女性が横からハンドルをきり、コントロールを失った車は電柱に衝突縞馬
青年が顔を上げると、車は大破しており、隣に座っていた女性は頭から血を流して死んでいた
青年は事情聴取を受けるが、何故かそのまま逮捕されてしまう
死んだ女性は妊娠しており、青年には「妊娠させてしまった女性を事故にみせかけて殺した」という疑いがかけられていた

女性の部屋から日記が見付かり、「恋人(イニシャルで記されている)に妊娠させられ、捨てられそうだ」と書かれており、その恋人と青年はイニシャルが同じであった
青年は毎日のように警察から尋問され、精神的に追い詰められていき、やがて青年は自分がやったと認めてしまう
警察は事件解決に喜び、青年は全国の新聞に殺人者として載せられた
しかし、青年の友人が無実を訴え、さらに青年の無実を証明するような証拠が次々と見付かった
青年を尋問した警部は、事件当日に事故車や遺体を回収した職員に話を聞き、「死んだ女性の手が車のハンドルを掴んで離れなかった」とい話を聞いて誤認逮捕であったと悟った
このことが世間に知れ、大勢のマスコミが警察署へと訪れて警察や青年にインタビューしようと押しかけた
警部は青年の下へと向かい、青年の肩を掴んで「君は無実なんだ」と言った
しかし、青年は目の焦点が定まっておらず、怯えるように震えながら「僕が殺しました」と呟き続けるだけだった
おわり



965: 本当にあった怖い名無し 2010/11/11(木) 08:50:13 ID:+S0wwYg80
>>959
冤罪でそこまで追い詰められるのが怖いな
あと、タイプミスだろうけど「電柱に衝突縞馬」で笑ったw

テレビで思い出したけど、十数年前にやってた某クイズ番組のある回で
後味が悪い思いをした事がある

VTRを見せてクイズを出す、よくある方式の番組だったが
ある回の一問目に、スカイダイビングで飛行機から飛び降りた本人に付けた
カメラからの映像(本人視点なので空しか見えない)を、飛び降りた直後の
何十秒か見せて「実はこの人は、ある物を忘れてしまいました。さて、それは
何でしょう?」と明るい女性の声でクイズが出された。
回答者も「靴を履くのを忘れた!」「ベルトを忘れてズボンが脱げた!」と
明るく解答していたのだが、正解は「パラシュートを着けるのを忘れた」で
回答者達が「え…?」と戸惑う中VTRは異様な急降下で地面に近付き
森かどこかで画像がザザッと乱れて途切れて終わっていた。
回答者「あの…飛び降りた人どうなったんですか?」
司会「さあ…?亡くなったんじゃないですかね?」
その後しばらくスタジオ全体が微妙な空気になっていたのを覚えている。
当人の生死不明(と言うか多分死んでる)ビデオをすごい楽しげに
ネタにしていたのが後味悪かった。
制作側はあれを見て盛り上がると思ったのだろうか?



966: 本当にあった怖い名無し 2010/11/11(木) 09:21:12 ID:AJp5lBkuO
>>965
一昔前はそういうモラルが本当に希薄というか、緩かったね。










画像見て懐かしくなったら叫べ
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